熟年離婚を考え始めたとき、心の中に多くの不安や迷いが渦巻いていることでしょう。
長年連れ添ったパートナーとの別れを決意するのは簡単なことではありません。
しかし、この決断があなたの新たな人生の第一歩となるためには、しっかりとした準備が必要です。
この記事では、熟年離婚を成功させるために押さえておくべき重要なステップを具体的に解説します。
1.離婚理由を整理する
熟年離婚が増加しているものの、全ての人が成功するわけではありません。
熟年離婚を成功させるためには、まず「なぜ離婚をしたいのか?」を明確にし、「本当に離婚すべきかどうか?」を慎重に考えることが大切です。
この理由を整理する過程で、感情に流されず冷静に判断する力が求められます。
例えば、不倫やDVといった具体的な事例がある場合は、その証拠を集めておくと協議離婚や裁判で有利に働くことがあります。
しかし、一度立ち止まり、他の解決策がないかを検討することも必要です。
例えば、カウンセリングを受けることで、夫婦関係が修復できる可能性があるかもしれません。
離婚は大きな決断であり、長期的な影響があるため、慎重に判断することが成功への鍵となります。
離婚理由が明確になり、離婚が最善の選択であると確信できたら、次のステップに進みましょう。
2.法テラス等を利用して弁護士に相談する
離婚理由を整理し、離婚に向けた準備が進んだら、次に法律の専門家である弁護士に相談することをオススメします。
特に熟年離婚では、財産分与や年金分割、さらには離婚後の生活設計に至るまで、複雑な法的問題が絡むことが多いため、専門的なアドバイスが不可欠です。
法テラスは、経済的に余裕がない場合でも、無料または低料金で法律相談を受けられる公的な機関です。
法テラスを利用することで、離婚に関する法律や手続きの基本を理解し、自分にとって最適な解決策を見つける手助けをしてくれます。
弁護士に相談する際は、これまでに整理した離婚理由や証拠を持参すると、具体的なアドバイスを得やすくなります。
また、弁護士に相談することで、法的リスクや可能性について客観的な視点を持つことができ、離婚後の生活をより確実に見通せるようになります。弁護士のサポートを受けることで、離婚のプロセスがスムーズに進み、最終的に満足のいく結果を得るための準備が整うでしょう。
私の場合、最初から女性専門の弁護士事務所を探して相談しました。初回は無料ではなく、1時間くらいで1万円ほどだったと思います。その後正式に依頼という流れでした。
友人から年金分割の相談を受けた際には、法テラスを紹介しました。
市区町村の無料相談窓口でも弁護士に相談できます。ただ、必ずしも離婚問題を得意とする弁護士が担当とは限りません。
離婚理由を整理し、弁護士に相談することで、法的な準備が整いました。
次に進むべきは、夫婦の財産を把握することです。
3.夫婦の財産(共有財産)を把握する
夫婦の財産(共有財産)とは婚姻期間中に夫婦で築いた財産のことです。
離婚において最も重要なステップの一つが、夫婦で築いてきた共有財産をしっかりと把握することです。
財産分与を公正に行うためには、どのような資産があるのか、そしてその価値がどれほどなのかを明確にする必要があります。
具体的には以下のようなものが共有財産とみなされます。
- 預貯金:結婚後に形成された預貯金は夫婦の共有とされます。
たとえ名義が一方の配偶者であっても実質的に夫婦の協力で形成されたものであれば共有財産に含まれます。 - 不動産:夫婦が共同で購入した不動産は、名義にかかわらず共有財産とされます。
- 家具や家電:結婚後に生活のために購入した家具や家電も共有財産として扱われます。
- 株式や有価証券:結婚後に夫婦で資産運用のために購入した株式や有価証券も共有財産に含まれることがあります。
また、共有財産だけではなく負債やローンの残高も確認しておくべきです。
贈与や相続で得た財産や結婚前に所有していた財産は特有財産として扱われ、財産分与の対象とはなりません。
『裁判離婚の流れ』の記事でも証拠が全てと書いてるように、財産分与を決める際に共有財産か特有財産かで揉める場合があります。
預貯金通帳、不動産の登記事項証明書、生命保険証書など共有財産に関する書類を写真に撮るなどして集めておくことが重要です。
弁護士に相談する際に、上記書類の写しがあれば、大まかな財産分与の金額を計算してもらえます。
共有財産を把握したら、次は自分の年金額を確認しておきましょう。
4.自分の年金額を調べる
年金は離婚後の収入の柱となるため、自分の年金額を把握しておくことは非常に重要です。
これにより、離婚後の経済的な見通しも立てやすくなります。
50歳以上の人は、年金事務所で年金見込額を交付してもらえます。
「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で自分の年金額を知ることも出来ます。
また、年金事務所で情報提供請求をすることで、年金分割後の見込額を知ることが出来ます。
裁判離婚する場合、情報提供通知書が必要となります。
熟年離婚を成功させるためには、しっかりとした準備が必要です。
まず、離婚理由を整理し、弁護士に相談することで、法的なリスクや手続きを明確にすることができます。
そして、夫婦で築いてきた共有財産を正確に把握し、自分の年金額を確認することで、離婚後の経済的な見通しを立てることが可能になります。
これらのステップを踏むことで、離婚に対する不安を減らし、冷静かつ前向きに新しい人生のスタートを切ることができます。
しっかりと準備を整え、自分にとって最善の選択をするために、今から行動を起こしましょう。