離婚に伴う年金分割や財産分与について夫婦間で合意が難しい場合、家庭裁判所の調停や審判を通じて解決を図ることが出来ます。
本記事では、裁判離婚の流れや必要な手続き、そして発生する費用について詳しく解説します。
また、裁判離婚の経験者の視点から、裁判離婚を乗り越えるためのポイントを紹介します。
このガイドを通じて、裁判離婚に対する理解を深め、必要な準備を進めることができるでしょう。
家庭裁判所の調停
- 調停の申し立て
夫婦間で合意に至らない場合、一方が家庭裁判所に調停を申し立てます。
相手方、妻なら夫の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てをする必要があります。
双方の言い分を調停委員が間に入り話し合いを進めます。 - 調停の結果
話し合いの結果、合意に至った場合、調停成立となり、その内容が法的な効力を持つ調停証書としてまとめられます。
話し合いで合意に至らない場合、調停不成立となり審判手続きへと移ります。
審判手続を経ず、訴訟(裁判)で争うことも出来ます。
調停ではお互い、別々の控室で待機し交互に呼び出され調停委員と話をするので相手に会わずにすみます。調停の回数は、内容によります。
家庭裁判所の審判
- 審判の申し立て
調停が不成立の場合、一方が審判を申し立てます。
審判では裁判官が証拠や双方の主張を元に判断を下します。 - 証拠の提出
審判においては収入や生活状況に関する証拠を提出することを求められます。 - 審判の結果
裁判官が判断を下し、年金分割や財産分与の具体的な内容が決定されます。
この決定は法的拘束力を持ち、双方従う義務があります。
審判確定→審判確定証明書交付請求→審判確定証明書交付
家庭裁判所の裁判
- 訴状の提出
夫婦どちらかの住所地を管轄する家庭裁判所に訴状を提出し、訴訟を提起します。 - 口頭弁論、尋問
裁判期日には、夫婦がお互いの意見を主張し、証拠を提出することで争いの内容を整理して行きます。(口頭弁論)
証拠や争点が整理されると「証拠調べ」として当事者への尋問(本人尋問)が行われます。
本人尋問には代理人を立てることが出来ます。
本人尋問の前にそれぞれがお互いの主張をまとめた「陳述書」を提出することも出来ます。 - 判決が出る、または和解する
裁判所からの和解の提示に夫婦が合意すれば和解成立となります。
和解が成立しない場合、裁判所の判断で判決が出ます。
離婚も含めた訴訟の場合、和解または判決が確定したら10日以内に確定証明書を添えて離婚届を提出する必要があります。
私は代理人(弁護士)にお願いしました。
陳述書は娘と私の分、2枚提出しました。裁判官の和解案は概ね私の申立を汲み取ってくれた内容でした。
審判、訴訟となると専門知識が必要となるので弁護士に依頼をしないと自分自身で行うのはまず無理だと思います。
裁判所の決定のポイント
- 公平な判断
裁判所は公平な視点から双方の意見を考慮し、最適な解決策を導き出します。事実に基づいた証拠を重視します。
言い換えれば、感情的な部分は斟酌してもらえないとも言えます。 - 専門家の支援
裁判所の手続きには専門的な知識が必要なため、弁護士などの専門家の支援を受けることで適切な対応が可能になります。
裁判所の判断は悲しいくらい感情的な部分は斟酌してくれません。
事実に基づいた証拠が全て!です。
財産分与で闘うなら夫婦の通帳、株式債券、生命保険証券、家の固定資産税、車のローンや一括払いの証拠、給料明細など出来るだけ多くの証拠を写真に撮るなどして集めておくことをオススメします。
私の経験談 私の弁護士の見解
私は別居開始早々、女性専門の弁護士に依頼し、婚姻費用の調停の申立、調停成立、2年後離婚を含めた財産分与の調停の申立、調停不成立、離婚訴訟、和解で決着という流れでした。
結局離婚に至るまでコロナ禍のせいもあり、6年以上かかりました。
弁護士費用(相談料、着手金、成功報酬、実費)は依頼する内容によりますが、私の弁護士からの情報では、弁護士事務所によって違うそうです。財産分与に関しての報酬も同様で、基本報酬+成功報酬(獲得額の10%程度)で料金一覧表がありました。
また、調停までは弁護士に依頼せずに当事者が行うことは可能だとも言われてました。費用も印紙代、切手代、添付書類費用含め数千円程度です。
裁判離婚は、精神的にも経済的にも大きな負担がかかるプロセスですが、この記事を通じて流れや必要な準備、そして費用について理解を深めることで、適切な判断と行動ができるようになります。
この記事が、読者にとって少しでも助けになることを願っています。
離婚に至るまで、経済的にはもちろん、精神的な負担がかなりありました。