離婚を前提とした別居を機に、自分自身の人生をもう一度見つめ直し、新たなスタートを切ることを決意しました。
将来に不安を感じながらも、社労士資格取得に挑戦し、今では新しい人生設計を描くことができています。
この記事では、私がどのように資格取得を通じて、新しい未来を切り開いたかをお伝えします。
※社労士とは社会保険労務士のことです。
社会保険労務士とは、社会保険労務士法に基づいた国家資格を持つ専門家です。 企業の人事・労務管理および労働・社会保険に関する事項を扱います。
別居後の不安と新たな決意
離婚を前提とした別居を決意し、娘と新たな生活を始めたものの、新しい住環境での生活に不安が募っていました。
50代半ばという年齢で新たな仕事に就けるかどうかの心配とようやく別居を実現できたという安堵感が入り混じった複雑な感情を抱えていました。
自分の決断に後悔はありませんでしたが、相続した財産で引っ越し費用や弁護士費用を賄ったため、減り続ける蓄えに対する不安も消えませんでした。
幸いにも、1年ごとの契約社員として仕事に就くことができたため、経済的な不安は一時的に解消され、今後の人生を落ち着いて考える余裕が生まれました。
最初は自分の得意分野である英語を生かすことも考えましたが、求められる年齢や英語力のハードルが高く、早々にその道は諦めることにしました。
そんな時、職場で「社労士」という資格があることを知りました。
この資格があれば独立して、年金相談員として働くことができるということもわかり、興味を持つようになりました。
契約社員として働く中で、毎年更新が必要で、最長でも5年間しか働けません。能力が高くても、昇給が期待できないため、社労士資格を取得することを決意しました。
社労士資格取得への挑戦
資格取得へ向けまず考えたのは、目標である8月末の試験にどうやって合格するかでした。
蓄えをこれ以上減らしたくない気持ちもあり、「いかに費用を抑えて合格するか?」を最優先に考え、通信教育での学習を選びました。
今振り返ると、「無知は無敵」という言葉通り、社労士がどんな職業なのか、試験の難易度すら知らずに、通信教育で受かるつもりでいました。
そして、4月から勉強を始めたことも、今考えると無謀でした。
通信教育をどこにするかも、無知だったせいで通信教育で有名な企業を選びましたが、合格すれば費用が戻ってくる通信教育やYoutube配信とセットで受けることが出来る資格学校の通信教育コースとか、様々なコースがあるようです。費用対効果を考えて、よく調べて選びましょう!
通信教育の教材が届いて初めて、社労士試験の概要を把握し、8月末の試験に向けた学習計画を立てました。
平日は2〜3時間、休日は5〜6時間の学習時間を確保し、10冊の教材と問題集、添削問題に取り組みました。
「時間がないので、この教材のみで勉強する!」と決意し、梅雨明けまでは計画通りに進めていました。
しかし、梅雨が明けて猛暑が始まると、計画通りに進めることが難しくなりました。平日は帰宅後、疲れ果てて眠気に襲われ、集中して勉強することができませんでした。
家での勉強が難しいと感じ、ドトールなどのカフェでの学習も試みましたが、逆に寒すぎたり、周囲の音が気になったりして、効果は思うように上がりませんでした。
そもそも4ヶ月半という短期間で合格を目指すこと自体が無謀で、試験日が近づくにつれ、「今年は全教科にチャレンジし、来年の合格を目指そう!」と計画を変更しました。
試験結果は当然不合格でしたが、全教科のテキストと問題集をなんとか終わらせ、試験に臨むことができました。
採点結果は合格基準の半分ほどでしたが、「たった4ヶ月の勉強で半分取れたのだから、あと1年頑張れば受かるはず!」とポジティブに捉えました。
この楽観的な考えは、「無知は無敵」という状態だったからこそ持てたものでした。
11月に採点結果がわかると、翌年の8月の試験に向け、再び学習計画を立てました。今度は時間に余裕を持たせ、無理のない範囲で進めることにしました。
教材は同じテキストを使い、試験前2ヶ月は問題集を数回繰り返し、記憶の定着を重視しました。3月まではテキストと問題集を使って全教科を完了させ、4月からは模試や直前講習を受講するなど、本気で合格を目指しました。これにより、模試費用や講習会費用はボーナスから支払うことになりました。
生まれて初めて、暗記事項のメモをトイレに貼りまくりました。
勉強を進める中で、「無知は無敵」ではなくなり、50〜60%の得点は比較的容易に達成できるものの、そこから合格ラインまで得点を伸ばすことの難しさを痛感しました。
模試で合格ラインに達せず、落ち込むこともあり、試験の3ヶ月前までは特にモチベーションが低下しがちでした。
この時期、更に自分を追い込む意味で、離婚調停を弁護士に依頼しました。同時進行で終わらせるつもりが、離婚に至るまで更に3年の月日がかかりました。
幸運なことに、職場の同僚が私と同じ教材で勉強し、同じように一度不合格を経験して再挑戦していることを知りました。
彼女と昼休みに暗記問題を出し合うことで、お互い励まし合いながら、辛い時期を乗り越えることができました。
また、この年の夏は例年ほど暑くなく、勉強に集中できたことも幸運でした。
7月からは勉強のギアを一段と上げました。平日は仕事から帰宅後、食事以外の時間をすべて勉強に充て、眠気が襲ってくるのも構わず、早朝にも勉強をしました。
休日はほぼ一日中勉強に費やし、試験時間通りに問題を解く練習も数回行いました。
社労士資格の合格に必要とされる勉強時間は一般に800〜1000時間と言われています。もちろん個人差がありますが、1年で合格を目指す場合、1日平均2〜3時間の勉強が必要となります。
試験当日、私は生まれて初めて緊張で眠れない夜を経験しました。
しかし、直前講習の講師の「寝てなくても試験日1日くらい乗り切れる!」という言葉や、職場の上司の「私のパワーを送るね〜!」という励ましを胸に、試験に挑みました。
緊張のおかげか頭は冴えていて、模試ではいつも外していた、毎年受験生を悩ませる社会保険一般や労働保険一般の選択問題も、勘で選んだ選択肢がすべて正解でした。
試験後、帰りのバスの中で午前中の試験の解答速報を見て、各教科の基準点と合計点をクリアできていることを確認しました。
帰宅後、YouTube配信の解答速報を見ながら午後の試験も自己採点し、基準点と合計点をクリアしていることに心からほっとしました。
しかし、合格発表の日までは、マークシートの記入ミスがなかったかどうか心配しながら過ごしました。
11月の合格発表の日、私は仕事を休んでインターネットでの発表を待ちました。
自分の番号を見つけたとき、合格したことに対する喜びはもちろんありましたが、それ以上に「あの苦しい勉強をもうしなくて良いんだ!」という安堵感が大きかったことを覚えています。
嬉しいことに、共に頑張ってきた同僚も合格し、2人で合格を祝うことができました。
資格取得がもたらした新しい未来
社労士資格を取得したことで、今の自分があります。
独立して年金相談員として働く道も開け、社労士試験合格者が受講しなければならない講習も実務経験があったため免除されました。
これにより、約8万円の節約ができました。
最終的に、私が社労士試験にかけた費用は、受験費用2回分の約3万円、通信教育代の約8万円、そして模試や直前講習代の約7万円、合計で約18万円です。
「費用を抑えて合格する」という目標はある程度達成できたと思います。
合格率数パーセントの国家資格に合格したことで、別居から続いていた自信のなさが大きく変わりました。
「人間、死ぬ気で頑張ればなんとかなる!」ということを実感した瞬間でした。
今年は、年金相談員としての経験を積みながら、次のステップに向けた目標や計画を立てる年だと考え、まずFP2級を取得、その後AFP認定研修も修了し、来年には目標を実現出来ればと思っています。
離婚を乗り越え、新たな未来を築くためのアドバイス
離婚後の人生を再スタートさせるにあたり、新しい未来につながる資格試験に挑戦することは、決して無駄ではありません。
私が取得した社労士資格もそうですが、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士など、独占業務を持つ士業の資格を取得することで、独立して開業する道も開けます。
しかし、これらの資格は合格が非常に難しいと言われ、受験資格が必要なものもあります。
実際、私の社労士仲間には、何年も資格学校に通い、何十万円もかけてようやく合格できた人もいます。
離婚を新しい自分に出会うチャンスと捉え、自己成長のために一歩を踏み出して新しい目標を持つことで、毎日がより充実したものになります。
勉強に集中するために誰かに遠慮する必要はありません。
時間はすべて自分のものです。
そして、時間はどんな人にも平等に与えられています。
「どんな自分になりたいか?」「どんな人生の再スタートを切りたいか?」は、人それぞれ異なります。
この記事を読んでくださった皆さんにアドバイスするとしたら?
「残された時間は有限です。後悔のない人生を送りましょう!」