熟年離婚を経験した後、老後の生活設計に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
特に、離婚によって経済的基盤が変わると、老後資金の準備や運用が重要な課題となります。
この記事では、老後に必要な資金額を具体的に解説し、どのようにして準備を進め、資産を運用すべきかのポイントを紹介します。
賢く準備し、老後も安心して暮らすためのヒントをお届けします。
老後資金はいくら必要?
老後に必要な資金は、個々のライフスタイルや生活の地域によって異なりますが、一般的に老後資金として必要とされる額は約2,000万円~3,000万円と言われています。
内訳としては、基本的な生活費、医療費、介護費、そして趣味や旅行などの余暇費用が含まれます。
例えば、毎月の生活費が20万円かかる場合、退職後に20年生きるとしたら単純に計算して4,800万円が必要です。
このとき、年金収入がどの程度あるのかが重要なポイントとなります。
年金収入が10万円の場合、残りの2,400万円を自分で補う必要があります。年金収入が15万円であれば1,200万円ということになります。
離婚による財産分与で充分な資産を得た場合や、子供から援助を受けられる場合は別ですが、それ以外では自分で不足分を計画的に準備することが大切です。
老後資金を準備する方法
老後資金を準備するためには、早めの計画とコツコツとした貯蓄が鍵となります。
特に、熟年離婚後は経済的な再スタートを切るタイミングでもあるので、具体的な目標を設定し、効率的に資産を増やすことが大切です。
- 退職金制度や企業年金を確認する
離婚後でも受け取れる退職金や年金制度があるかを確認しましょう。場合によっては、年金分割制度を活用することができます。 - 個人年金保険やiDeCoの利用
iDeCo(個人型確定拠出年金)や個人年金保険などの自助努力で、年金を補うための金融商品を検討するのも有効です。
これらは税制優遇があり、老後に向けた資産形成に適しています。 - 投資を取り入れる
資産運用を考えることも、老後資金の準備には欠かせません。
定期預金や国債といった安全性の高い商品から、株式や投資信託などリスクを伴う商品まで、リスク許容度に応じて運用方法を選びましょう。
ここで使えるのが資産の計算で使う6つの係数です。
例えば、老後資金1,200万円を10年後に準備したい場合、年利3%で福利運用するとして、毎年いくら積立が必要でしょうか?
この計算には減債基金係数を使います。
1,200万円✕0.0872≒104.6万円
つまり、毎年約104.6万円を年利3%で複利運用しながら積み上げることで、10年後には1,200万円準備出来るということです。
また、今の資産を年利3%で複利運用して10年後に1,200万円を準備するためには、資産がいくら必要でしょうか?
この計算には現価係数を使います。
1,200万円✕0.7441≒893万円
約893万円の資産があれば年利3%の複利運用で10年後に1,200万円準備出来るということになります。
老後資金の運用のポイント
老後資金を運用する際は、リスクを抑えながらも、インフレなどで資金が目減りしないようにする必要があります。
以下の運用方法を検討してみてください。
- 長期的な運用を心がける
資産運用は長期間で見ることが重要です。
短期的な価格変動に一喜一憂せず、安定したリターンを狙いましょう。 - リスク分散を徹底する
一つの商品に偏らず、複数の資産に分散投資をすることでリスクを減らします。
株式だけでなく、債券や不動産投資信託(REIT)などを組み合わせると良いでしょう。 - 必要な時期に合わせた資金の確保
老後の生活費は急に必要になることもあるため、流動性の高い資産(すぐに現金化できる資産)を一定額確保しておくことが大切です。 - 運用コストを考える
運用商品によっては手数料がかかるものもあり、これが資産の減少につながる場合があります。
手数料や維持費が少ない商品を選んで、運用コストを考えることがポイントです。
投資初心者は長期・分散・低コストを心がけましょう!
まとめ
老後資金の準備と運用は、熟年離婚を経験した方にとって特に重要なテーマです。
早めの計画と適切な資産運用を心がけることで、経済的な安定を保ちながら、心穏やかな老後生活を過ごすことができます。
年金だけに頼るのではなく、自分でコントロールできる資産を積み上げ、将来のために安心できる準備を進めましょう。