毎年、蓮の花を見ると、8年前にNZから帰国したときのことを思い出します。成田から戻った翌朝、お濠に咲き乱れる蓮の花が私を出迎えてくれました。
別居前のつらい日々と決意
9年前、夫との離婚を考え始め、別居までの時期は精神的に本当につらい毎日でした。
「このままではおかしくなってしまう」と思い、ふと「死ぬまでにやりたいことリスト」にあった語学留学を実現しようと決めました。
いつも「年を取ったら絶対留学したい!」と言っていたためか、娘たちも「行け行け〜!」と背中を押してくれました。
準備と出発まで
次女と猫との暮らしを始めてから、期限付きの仕事を見つけて留学準備を進めました。
新車を買ったばかりでしたが、それを売却して費用に充て、留学先は自然豊かなニュージーランド・オークランドに。
心を癒やすため、そして安心できる生活環境を求めて、年配夫婦の家庭にホームステイすることに決めました。
4月の出発日、特大スーツケースとリュックを抱えて、次女に見送られながら成田から旅立ちました。
オークランドでの暮らし
到着初日、ホストマザーが市内を案内してくれましたが、英語が出てこず苦労したのを覚えています。
授業では日本人学生が日本語で群れているのを見て「何しに来ているの?」と思いつつ、私はできるだけ多国籍の友人を作ろうと努めました。
週末はホストマザーと買い物や教会の礼拝に参加し、ホストファミリーの趣味である「トランピング」にも同行。2時間以上自然の中を歩く体験は、日本では考えられないものでした。
90歳を超えても元気に山歩きをする参加者に驚きつつ、活動的な高齢者の姿に大きな刺激を受けました。




学びと心の変化
留学生活では「南十字星を見る」「南半球で水が逆回転するのを確かめる」など、自分なりの目標も達成しました。
英語のクラスは2ヶ月目に最上級まで上がり、ロシア人女性やタヒチの青年など多国籍の友人ができました。別れの時は涙が出るほどでした。




特に忘れられないのは、ある授業での先生の言葉です。
「君たちは幸せですか?」と問われ、日本人は「〇〇だから幸せではない」と答えがちでした。
先生は笑って言いました。
「ぼくは幸せだよ。雨風をしのげる家があり、支えてくれる家族や友人がいて、仕事がある。それだけで十分幸せだろう?」
日本で離婚問題に苦しみ「自分は不幸だ」と思っていた私は、ハッとしました。「私は今でも十分幸せなんだ」と。
帰国後に思うこと
語学留学にかかった費用は100万円以上でしたが、そこで得た経験や出会いは人生の宝物です。
精神的にもずいぶん強くなり、今の私の土台になっています。
帰国後もホストファミリーとは年に一度文通を続け、ロシア人の友人とも今でもSNSで繋がっています。
あの時、勇気を出して本当に良かった。
もし今、環境や状況に押しつぶされそうになっている方がいたら──
どうか小さな一歩でも踏み出してみてください。きっと未来は変わります。
🌸 次回からは、美容や猫、バレエなど、日々の暮らしについても綴っていきます。
これからも「ライフリセットブログ」をよろしくお願いします。



