熟年離婚を経て新しい人生をスタートする50代・60代の方たち。
これからの生活設計に不安を感じていませんか?
特に老後資金や日々の家計管理について、「もう間に合わないのでは?」と心配される方も多いでしょう。
しかし、50代・60代からでも資産形成を始めることで、経済的な安心を手に入れることができます。
このガイドでは、初心者でも実践しやすい方法を詳しく解説し、あなたの新しい人生を支えるライフプランニングをお手伝いします。
熟年離婚後のライフプランニングの重要性
離婚後の生活では、家計が一人分になるため、これまで以上に計画的な資産管理が求められます。まずは、以下のステップで現状を整理し、具体的な目標を設定しましょう。
現在の資産と収支を見える化する
銀行口座、投資、保険などの資産をリストアップし、毎月の収入と支出を確認します。これにより、家計の現状が明確になります。
生活費の見積もりを行う
離婚後の生活費を計算し、どれくらいの資金が必要かを把握しましょう。老後に必要な生活費の目安も考慮すると計画が立てやすくなります。
総務省の2022年度の調査によると、熟年離婚後のひとり暮らしに必要な生活費は平均して約16万円と考えられています。
参考:家計調査
老後資金の目標を設定する
公的年金、貯蓄、投資のバランスを見ながら、無理のない資産形成の目標を立てます。
50代・60代から始める初心者向け資産形成の基本
資産形成を始めるのに遅すぎるということはありません。
以下の方法を活用し、少しずつでも着実に準備を進めましょう。
iDeCoやNISAを活用する
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、税制優遇を受けながら老後資金を積み立てられる制度です。
また、新NISA(少額投資非課税制度)は少額から投資を始めたい方に最適です。どちらも初心者向けの資産形成ツールとしておすすめです。
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で積み立てて運用することで老後資金を作る制度です。
会社員や自営業者、専業主婦(夫)など、ほとんどの人が利用できます。
iDeCoの仕組み
- 毎月一定額の掛金を拠出し、60歳まで積み立てます。
- 掛金は自分で設定でき、5,000円から始められます。
- 積み立てたお金を自分で選んだ金融商品(預金、保険、投資信託など)で運用します。
- 基本的に60歳以降に、年金または一時金として受け取ることができます。
iDeCoのメリット
- 税金が安くなる:積み立てた金額が全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税が軽減されます。
- 運用益が非課税:通常、投資の利益には約20%の税金がかかりますが、iDeCoなら非課税です。
iDeCoのデメリット
- 60歳まで引き出せない:途中でお金を引き出せないため、長期の資産形成向けです。
- 元本保証がない:運用商品を自分で選ぶ必要があり、運用次第で損をする場合もあります。
新NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、新NISAを利用するとその税金がかかりません。
これにより、効率よくお金を増やせる制度です。2024年から新しい仕組みに変更され、より長期間で使いやすくなりました。初心者でもコツコツと投資を始めるのに最適です。
新NISAのポイント
1. 2つの投資枠がある
新NISAでは、次の2つの枠が設けられています。
- 成長投資枠
株式や投資信託など、リスクがあるけれど大きな利益を狙える商品に投資する枠です。年間240万円まで投資できます。 - つみたて投資枠
毎月コツコツ積み立てる投資信託など、初心者に適した商品に投資する枠です。年間120万円まで投資できます。
この2つを合わせて、年間最大360万円まで非課税で投資が可能です。
2. 非課税期間が無期限に!
これまでのNISAは、非課税期間が5年や20年と制限がありましたが、新NISAでは非課税期間が「無期限」になりました。
これにより、長期間にわたって運用することができ、将来の利益を最大化できます。
3. 非課税枠の総額は1,800万円
新NISAでは、利用できる非課税枠の総額が1,800万円に設定されています。このうち、つみたて投資枠は最大で1,200万円まで利用可能です。
長期間コツコツ投資を続ければ、十分な資産を築ける仕組みです。
初心者にとってのメリット
- 少額から始められる
つみたて投資枠では、月々1,000円程度から始められる商品もあります。投資初心者でも無理なく取り組めます。 - 利益がすべて非課税
投資で得た利益に税金がかからないので、普通の投資よりも効率よくお金を増やせます。たとえば、10万円の利益が出た場合、通常なら約2万円の税金がかかりますが、新NISAならそのまま10万円を受け取れます。 - 商品選びが簡単
つみたて投資枠では、国が厳選した信頼性の高い投資信託が対象です。複雑な商品選びをする必要がなく、初心者でも安心して投資できます。
新NISAの利用例
- つみたて投資枠で毎月3万円を積み立てる
年間36万円をつみたて投資枠で運用。仮に年利4%で運用した場合、20年間で約1,100万円に成長する可能性があります。この利益も非課税です。 - 成長投資枠で株式に投資する
年間100万円を成長投資枠で投資し、大きな利益を狙う。成功すれば効率的に資産を増やせます。
注意点
- 元本保証がない
投資なので、元本割れ(投資額が減る)リスクがあります。ただし、つみたて投資枠を活用し、長期間運用すればリスクを抑えられる傾向があります。 - 投資枠の総額に制限がある
非課税枠の総額は1,800万円までなので、それ以上の投資には税金がかかります。
新NISAはこんな人におすすめ
- 少額から投資を始めたい初心者
- 長期的に資産を増やしたい人
- 税金を抑えながら効率的にお金を増やしたい人
低リスクの投資商品を選ぶ
50代・60代ではリスクを抑えた資産運用が重要です。国債や安定した投資信託など、堅実な商品を選びましょう。
貯蓄と投資をバランスよく行う
資産形成では、貯蓄だけでなく、少額でも投資を組み合わせることで、効率的に資産を増やすことができます。
生活費の見直しと節約術
資産形成を加速させるには、毎月の生活費を見直し、無駄を省くことが効果的です。
固定費を削減する
通信費や保険料などの固定費を見直すことで、大幅な節約が可能です。たとえば、格安スマホや保険の見直しを検討してみましょう。
固定費を削減することで、毎月の支出を抑え、その分を貯金や資産運用に回すことができます。
特に通信費は、格安SIMやサブブランドに乗り換えるだけで数千円の節約が期待できます。
また、保険料については、現在の保障内容が本当に必要かどうかを見直し、過剰な保障や不要な特約を削ることで負担を軽減できます。
こうした固定費の見直しは、一度行うだけで長期的な節約効果を得られるため、ぜひ早めに取り組んでみてください。
日々の節約を心がける
食費や光熱費を抑える工夫をすることで、毎月の支出を減らし、その分を資産形成に回せます。
不要な資産を活用する
不要な品や衣類を売却して資金を作るのも一つの方法です。
新しい生活に必要なものだけを残すことで、気持ちも整理されます。
また、売却したお金を元手に、貯金や資産形成の第一歩を踏み出すことも可能です。
リサイクルショップやメルカリ、ラクマなどのフリマアプリを活用すれば、意外な収入が得られることもあります。
物を手放すことで心が軽くなるだけでなく、新しいスタートを切るための準備が整います。
必要最低限のものに囲まれたシンプルな生活は、これからの人生設計を見直す良いきっかけにもなるでしょう。
プロに相談する重要性
離婚後の生活設計に不安がある場合は、専門家に相談するのも効果的です。
ファイナンシャルプランナーに相談する
資産形成のアドバイスや老後資金の計画を立てるために、専門家の力を借りることは有益です。
社労士に年金相談をする
熟年離婚後の年金分割や公的年金の受け取り方について、社労士に相談することで、適切な対応が可能になります。
年金事務所でも、年金分割や年金の見込額などの相談をすることが出来ます。
まとめ
熟年離婚後のライフプランニングは、新しい人生を前向きに進めるための大切なステップです。
50代・60代からでも、資産形成を始めることで経済的な安心を手に入れることができます。
今回ご紹介した方法を参考に、まずは小さな一歩を踏み出してみましょう。あなたの未来を支える計画作りを、ぜひこのガイドと共に進めてください!